「毎日歯磨きしているのに、また虫歯になってしまった」「子供の虫歯をできるだけ防いであげたい」「繰り返し虫歯ができるのはなぜ?」——習志野市・奏の杜エリアでこのようなお声をよくいただきます。
虫歯予防は「ちゃんと磨く」だけではありません。磨き方・フッ素の使い方・食生活・歯科医院でのケア、そして近年注目されている「口腔内フローラのバランスを整える菌活アプローチ」まで、複数の方法を組み合わせることではじめて高い予防効果が期待できます。
この記事では、自宅でできるセルフケアから歯科医院で行うプロケア、当院が取り組む最新の予防アプローチまで、院長が体系的に解説します。

- そもそも虫歯はなぜできる?4つの原因を知っておこう
- 【セルフケア①】正しいブラッシングと補助用具の活用
- 【セルフケア②】フッ素の正しい使い方|2023年版推奨法
- 【セルフケア③】食生活・飲み物の見直し
- 【セルフケア④】キシリトールの活用
- 【歯科医院ケア①】PMTC(プロによる歯のクリーニング)
- 【歯科医院ケア②】高濃度フッ素塗布
- 【歯科医院ケア③】シーラント
- 「繰り返し虫歯になる」人が見直すべき3つのポイント
- 習志野市・奏の杜の患者さんへ|当院の3つの予防アプローチ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|虫歯予防は「複合的なアプローチ」が鍵
当院はママと子供の歯医者さん加盟医院です
ママとこどものはいしゃさんのロゴマークは厳しい審査基準をクリアした医院だけがつけている「安心・安全の歯科医院のシンボルマーク」です。

そもそも虫歯はなぜできる?4つの原因を知っておこう
虫歯予防を正しく行うためには、まず「なぜ虫歯ができるのか」を理解することが出発点です。虫歯は次の4つの要素が重なることで発生します。

虫歯菌(ミュータンス菌)の存在
虫歯菌は口腔内の常在菌で、糖を栄養源にして酸を産生します。この酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯が始まります。虫歯菌は生まれた直後の赤ちゃんの口には存在せず、親や周囲の大人の唾液を介して感染します。
糖質の摂取
砂糖などの糖質は虫歯菌の主要なエネルギー源です。問題になるのは「甘いものを食べたかどうか」だけでなく「口の中に糖分が滞在する時間の長さ」です。だらだら食べ・飲みの習慣があると、口腔内が酸性の状態に長くさらされ、虫歯のリスクが大幅に高まります。
歯の質
歯の質には個人差があり、エナメル質が薄かったり唾液の抗菌作用が弱かったりすると、同じ生活習慣でも虫歯になりやすい場合があります。乳歯や生えたばかりの永久歯は歯の質が未熟で虫歯になりやすいため、特に注意が必要です。
時間
食後、口腔内が酸性に傾いた状態が続く時間が長いほど歯が溶けやすくなります。唾液には口腔内を中性に戻す働き(緩衝能)がありますが、その回復には食後30〜60分ほどかかるとされています。間食の回数が多い方は特にこの「時間」の要素が虫歯リスクを高めています。
虫歯予防とは、この4つの要素をそれぞれ対策することです。どれかひとつだけを対策しても不十分で、複合的なアプローチが有効です。
【セルフケア①】正しいブラッシングと補助用具の活用
虫歯予防の基本は、毎日の歯磨きで口腔内のプラーク(歯垢)をしっかり除去することです。ただし「磨いているつもり」と「磨けている」は別物です。
歯ブラシだけで除去できるプラークは口腔内全体の約60%程度と言われており、歯と歯の間や歯茎との境目など、歯ブラシが届きにくい部位には汚れが残りやすくなります。これらの部位にはデンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、プラーク除去率を大きく高めることができます。
特に注意が必要な磨き残しポイントは「奥歯の溝」「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」「上の前歯の裏側」です。歯ブラシは1〜2本分のストロークで細かく動かし、歯肉への過度な圧力をかけないように意識しましょう。
自己流の磨き方には「磨き癖」が生まれやすく、知らないうちに特定の部位を磨き残し続けているケースが多くあります。歯科医院でのブラッシング指導(TBI)を定期的に受けることで、自分の磨き癖を把握し、効率よく汚れを除去する方法を身につけることができます。
【セルフケア②】フッ素の正しい使い方|2023年版推奨法
フッ素(フッ化物)は虫歯予防において科学的に効果が認められた成分であり、日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会ほか主要4学会が2023年版の使用推奨法を発表しています。
フッ素には3つの働きがあります。歯のエナメル質を酸に溶けにくい構造に変化させる歯質強化作用、酸によって溶け始めた歯の表面を修復する再石灰化作用、そして虫歯菌の働きを弱める抗菌作用です。
年齢別のフッ素濃度と使用量の目安は以下の通りです。
歯が生えてから2歳頃までは500〜1,000ppmのフッ素含有歯磨き粉を米粒程度(約1〜2mm)使用します。3〜5歳は同濃度でグリーンピース程度(約5mm)、6歳以上は1,000〜1,500ppmを歯ブラシ全体(約1.5〜2cm)に乗せて使用することが推奨されています。
使い方のポイントとして、歯磨き後のすすぎは少量の水(約10ml)で1回程度に抑え、口腔内にフッ素が残るようにします。磨いた後2時間は飲食を避けることで、フッ素が歯に作用する時間を確保できます。家庭用フッ素(ホームケア)と歯科医院での高濃度フッ素塗布(プロケア)を組み合わせることで、より高い予防効果が期待できます。
【セルフケア③】食生活・飲み物の見直し
虫歯菌の主要なエネルギー源である糖質の摂り方を見直すことは、虫歯予防の重要な柱のひとつです。
まず意識したいのが「だらだら食べ・飲み」をやめることです。食事やおやつの回数・時間を決め、食べ終わったら水やお茶でロをゆすぐ習慣をつけましょう。ジュース・スポーツドリンク・乳酸菌飲料などの甘い飲み物を長時間にわたって飲み続ける習慣は、特に虫歯リスクを高めます。
水分補給は基本的に水かお茶にすることをおすすめします。甘い飲み物は「おやつ」のカテゴリーとして捉え、飲む時間を限定することが大切です。
また、よく噛んで食べることも虫歯予防に有効です。よく噛むことで唾液の分泌が促進され、口腔内の自浄作用・緩衝能が高まります。唾液は口腔内を中性に保ち、歯の再石灰化を助ける自然の防御機能です。唾液の分泌量が少ない方(口呼吸・ストレス・加齢など)は特に注意が必要です。
【セルフケア④】キシリトールの活用
キシリトールは、自然界に存在する甘味成分であり、砂糖と異なり虫歯菌のエネルギー源にならないという特性を持ちます。また、ミュータンス菌の働きを抑制し、再石灰化を促す効果も報告されています。
食後にキシリトール100%配合のガムを15〜20分程度噛むことで、唾液の分泌を促しながら虫歯予防効果が期待できます。購入する際は成分表示を確認し、「キシリトール100%」または「糖類ゼロ」のものを選ぶことがポイントです。砂糖を含むガムは逆効果になりますので注意してください。
【歯科医院ケア①】PMTC(プロによる歯のクリーニング)
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、歯科医院で専用の機器と研磨剤を用いて行う歯のクリーニングです。
自宅でのブラッシングでは除去しきれない歯の表面のバイオフィルム(細菌の集合体)を物理的に破壊・除去します。施術後は歯の表面が滑らかになり、汚れが再付着しにくい状態になります。
3〜6ヶ月に1回のペースでPMTCを受けることで、セルフケアでは届かない部位のプラーク・バイオフィルムをリセットし、虫歯・歯周病の予防効果が高まります。虫歯を繰り返している方・歯ブラシで取りきれない汚れが気になる方に特におすすめのプロケアです。
【歯科医院ケア②】高濃度フッ素塗布
歯科医院で行うフッ素塗布は、家庭用歯磨き粉のフッ素濃度(最大1,500ppm)をはるかに超える9,000ppmの高濃度フッ素を歯面に直接塗布します。
歯質を強化し、初期の脱灰(歯が溶け始めた状態)を再石灰化させる効果が期待できます。3〜4ヶ月に1回のペースで受けることが推奨されており、自宅でのフッ素入り歯磨き粉との併用も問題ありません。お子さんから大人まで幅広い年齢に対応しており、乳歯が生え始めた頃から取り入れることをおすすめします。
【歯科医院ケア③】シーラント
シーラントは、奥歯の溝(裂溝)をフッ素入りの樹脂で埋める予防処置です。奥歯の溝は歯ブラシの毛先よりも細く深いため、どれだけ丁寧に磨いても汚れが残りやすい部位です。
シーラントを行うことで溝に汚れが入り込みにくくなり、虫歯のリスクを下げる効果が期待できます。主な対象は乳歯の奥歯と、6歳頃に生える最初の永久歯(6歳臼歯)です。ただしシーラントの下に虫歯ができる場合もあるため、定期的なチェックが必要です。詳しくは診察時にご相談ください。
「繰り返し虫歯になる」人が見直すべき3つのポイント
治療したのにまた虫歯ができてしまう——このようなお悩みをお持ちの方は、以下の3点を見直してみてください。
①磨けていない部位があるのが最も多い原因です。長年の「磨き癖」によって、特定の部位が常に磨き残しになっているケースは非常に多くあります。歯科医院でのブラッシング指導を受け、染め出し検査で磨き残し部位を可視化することで改善につながります。
②食習慣が整っていない場合も見直しが必要です。間食の回数・甘い飲み物の頻度・就寝前の糖分摂取など、日常の習慣が虫歯リスクに直結しています。「頑張って磨いているのに虫歯ができる」という方は、食習慣に原因があることが少なくありません。
③口腔内の菌のバランスが乱れていることが根本的な原因になっている場合があります。虫歯菌は口腔内の常在菌であり、完全に除去することはできません。しかし、善玉菌が豊富な口腔内フローラ(菌叢)が形成されていれば、虫歯菌が増えにくい環境が作られます。「殺菌するだけ」のケアでは、菌のバランスが崩れ続けることがあります。この視点が、次に説明する「菌活」アプローチにつながります。
新しい虫歯予防の考え方「菌活」とは
従来の虫歯予防は「虫歯菌を殺す・減らす」という発想が中心でした。しかし近年、口腔内の菌のバランス(口腔内フローラ)を整え、善玉菌が育ちやすい環境を作るというアプローチが注目されています。これが「菌活」の考え方です。
口腔内にはおよそ700種類以上の菌が存在しており、その菌叢のバランスが口腔健康を左右するとされています。殺菌力の強いうがい薬の使いすぎが善玉菌も減らしてしまい、結果として菌叢のバランスを崩すことがあるという指摘もあります。
「菌を減らす」から「菌のバランスを整える」へ——このパラダイムシフトに基づいた予防アプローチが、繰り返し虫歯になる方・歯磨きをしているのに虫歯になる方に特に有効と考えられています。
習志野市・奏の杜の患者さんへ|当院の3つの予防アプローチ
アーブル歯科クリニックでは、従来の歯科ケアに加え、上述の「菌活」の考え方に基づいた3つの取り組みを予防の柱として導入しています。
①ミュータンス菌を約80%抑制「ロイテリ菌バクテリアセラピー」
ロイテリ菌はヒトの母乳・口腔に由来する天然乳酸菌で、継続摂取によりミュータンス菌(虫歯の原因菌)の増殖を抑制することが確認されています。BioGaia社の研究報告では、2週間の継続摂取でミュータンス菌を約80%抑制するというデータが示されています。
ミュータンス菌が定着しにくい口腔環境を作ることで、「虫歯菌を減らす努力」ではなく「虫歯菌が増えにくい環境に変える」という根本的なアプローチが可能になります。当院ではバクテリアセラピスト常駐歯科医院として認定を受けており、お一人おひとりの状態に応じた製品をご提案しています。
費用の目安:30日分 ¥2,700〜(製品により異なります・自費)
②善玉菌で口腔フローラを整える「バイオジェニックペーストα」
バイオジェニックペーストαは天然由来成分100%・化学薬品不使用の歯磨きペーストです。プロバイオティクス由来のBRMS(バクテリオシン関連抗菌物質)を配合し、善玉菌が育ちやすい口腔環境をサポートします。
「殺菌する歯磨き粉」ではなく「菌のバランスを整える歯磨き粉」という発想で設計されており、繰り返し虫歯になる方・虫歯になりやすいお子さんをお持ちの方に特にご提案しています。
費用の目安:約1ヶ月分 55g ¥1,980(税込・自費)
③毎日の除菌習慣を支える「ポイックウォーター」
ポイックウォーターは塩と水を電気分解して作られた次亜塩素酸含有の洗口液です。薬品を使わずに口腔内の細菌を除菌する効果が期待でき、使い続けることで虫歯になりにくい口腔環境づくりをサポートします。
当院は2014年の開業当初からポイックウォーターを導入しており、歯科治療水の水質検査を実施した「歯科治療水安全施設」として認定されています。
よくある質問(FAQ)
Q. 毎日歯磨きしているのに虫歯になります。原因は何ですか?
磨いているのに虫歯になる最も多い原因は「磨き残し」と「食習慣」です。特定の部位が常に磨き残しになっていないか、間食の頻度・甘い飲み物の習慣が影響していないかを見直してみてください。また、口腔内の菌のバランスが乱れていることが根本的な原因になっている場合もあります。歯科医院での磨き残し検査や、菌活アプローチについてご相談いただければ、より個別の原因に合った対策をご提案します。
Q. フッ素は体に害はありませんか?
歯科医院や市販品で使用するフッ素の量は、安全性が確認された濃度・量に設定されています。年齢に応じた適切な濃度・使用量を守れば、日常的な虫歯予防として安全に使用できます。フッ素の過剰摂取が問題になるのは、推奨量をはるかに超えた量を継続的に摂取した場合です。歯磨き粉に記載された使用量と年齢別の推奨法を守ってご使用ください。不安な点は診察時にご相談ください。
Q. 虫歯予防のための定期検診は何ヶ月に1回が目安ですか?
一般的には3〜6ヶ月に1回が推奨されています。虫歯リスクが高い方(繰り返し虫歯ができる方・唾液が少ない方・矯正中の方など)は3ヶ月ごと、リスクが低い方は6ヶ月ごとを目安にすることが多いです。定期検診では虫歯・歯周病の早期チェックに加え、PMTC・フッ素塗布・ブラッシング指導も受けることができます。
Q. 子供の虫歯予防で一番大切なことは何ですか?
保護者による仕上げ磨きの継続・フッ素の活用・規則正しい食習慣の3点が基本です。加えて、感染の窓(1歳半〜2歳半)の時期を清潔な口腔環境で乗り越えることが、その後の虫歯リスクを大きく左右します。当院では、生後0日から使えるロイテリ菌のドロップタイプも取り扱っており、早い段階から虫歯菌が定着しにくい口腔環境を作るサポートができます。
Q. シーラントはすぐに取れてしまいませんか?
シーラントは咬合力の強い部位に施術するため、一部が欠けたり取れたりすることがあります。そのため、定期検診で状態を確認し、必要に応じて補修・再処置を行うことが重要です。シーラントの下に虫歯ができていないかを定期的にチェックすることも大切です。シーラントを受けたからといって虫歯にならないわけではなく、日々のブラッシングと定期検診を組み合わせることが効果的な予防につながります。


まとめ|虫歯予防は「複合的なアプローチ」が鍵
虫歯予防に効果的な方法をまとめると、正しいブラッシング・フッ素の活用・食生活の見直しというセルフケアの基本と、PMTC・高濃度フッ素塗布・シーラントという歯科医院でのプロケアを組み合わせることが基本です。そして、繰り返し虫歯になる方には「菌のバランスを整える菌活アプローチ」が根本的な解決につながる可能性があります。
「ちゃんと磨いているのに虫歯になる」とお悩みの方は、ぜひ一度ご来院ください。習志野市・奏の杜のアーブル歯科クリニックでは、磨き残しの確認・食習慣のアドバイス・ロイテリ菌などの菌活アプローチを組み合わせた個別の予防プランをご提案しています。24時間WEB予約も承っております。

著者情報
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- アーブル歯科クリニック 院長 田中 雄一
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略歴
- 2007年日本大学松戸歯学部卒業
- 2007年日本大学松戸歯学部附属病院 臨床研修医
- 2008年~2014年一般開業医勤務
- 2014年アーブル歯科クリニック開院
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所属団体
- 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座 非常勤
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顎咬合学会
- 日本臨床歯周病学会
- AICインプラント専門医
- BPSデンチャークリニカル 認定医
- スウェーデン歯科学会
- 口腔感染症予防外来認定医
- POIC研究会 ホームケアアドバイザー認定
- 私立アスクかなでのもり第二保育園 嘱託医
- ブレーメン津田沼保育園 嘱託医
- リトルガーデンインターナショナルスクール新習志野校 嘱託医
- クニナ奏の杜保育園 嘱託医
- 習志野市立谷津小学校 学校歯科医
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矯正医
- 田中 慶子
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所属団体
- 日本矯正歯科学会 認定医
- インビザライン 認定医




































