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2026.01.23

フッ素歯磨き粉の効果とは?虫歯予防に効く正しい使い方と選び方

「フッ素配合の歯磨き粉って、本当に虫歯予防に効果があるの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

実は、フッ素は虫歯予防において最も有効で安全性が高い物質として、長年にわたる疫学的・医学的な研究で明らかにされています。使用法が簡便で低コストでもあることから、医療経済の観点でも有用性が高いと考えられています。

ただし、フッ素配合歯磨き粉を「ただ使えばいい」わけではありません。年齢や状況により適切な濃度や使い方があり、正しく活用しなければ本来の効果を引き出せないのが実情です。

この記事では、フッ素がなぜ虫歯予防に役立つのか、どのような濃度を選ぶべきか、そして効果を最大化する使い方まで、歯科医師の視点から実践的な知識をお伝えします。

 

 

 

当院はママと子供の歯医者さん加盟医院です

ママとこどものはいしゃさんのロゴマークは厳しい審査基準をクリアした医院だけがつけている「安心・安全の歯科医院のシンボルマーク」です。

 

そもそもフッ素って何?自然界に存在する安全な元素

フッ素は元素番号9番の元素で、自然界にもともと広く分布しています。

科学的に合成されたものではなく、私たちが日常的に口にする食品にも広く含まれているんです。特に茶葉、魚介類、海藻類、海水塩などに比較的多く含まれ、肉類や野菜、果実などほとんどの食品に微量ながらも含まれています。

自然界ではイオン化して別のものと結合していることが多く、その場合は「フッ化物」と呼ばれます。このため、最近では「フッ素塗布」というよりも「フッ化物塗布」「フッ化物応用」などと呼ばれることが多くなっています。

もちろん、私たちの体内にも存在する物質です。

 

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フッ素が虫歯予防に役立つ3つの作用

 

 

では、フッ素がなぜ虫歯予防に効果的なのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

脱灰抑制作用|歯を酸に強くする

歯のエナメル質の結晶内にフッ化物が取り込まれると、「フルオロアパタイト」や「フッ化ハイドロキシアパタイト」と呼ばれる物質になります。

これらは、もともとの歯よりも酸に対して溶けにくくする物質です。

虫歯は、歯垢に含まれる細菌が産生する酸によって歯からカルシウムやリンが溶け出し(これを脱灰といいます)、穴が開いてしまうものです。フッ化物を歯に塗布することにより、この脱灰が起こりにくくなるんです。

再石灰化の促進|初期虫歯を修復する

脱灰したエナメル質は唾液の力によってカルシウムイオンやリン酸イオンの取り込みを行い、エナメル質を再構築します。これを再石灰化といいます。

歯にフッ化物を塗布すると、カルシウムイオンやリン酸イオンの濃度が低い状態でも再石灰化が起こりやすくなるので、脱灰からの回復が早まると考えられています。

特に初期の虫歯(白く濁った状態)なら、フッ素で修復できる可能性が高いのです。

細菌による酸性化を防ぐ|虫歯菌の働きを弱める

フッ化物は歯垢に含まれる細菌が産生する代謝酵素を阻害し、酸性化を抑制します。

虫歯は酸によってできますので、虫歯の予防につながります。つまり、フッ素を継続的に使用することで、虫歯菌そのものの活動を弱め、虫歯ができにくい環境を作ることが可能なんです。

 

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フッ素配合歯磨き粉の使い方|年齢別の濃度と使用量

フッ素配合歯磨き粉を正しく使うには、年齢別の適正使用量を守るようにしましょう。

特に乳幼児から未就学の児童には保護者による十分な注意が必要です。また、フッ素の推奨濃度も年齢によって異なります。

 

 

6ヶ月〜2歳|フッ素濃度900〜1000ppm

歯が生えた時期を目安に、フッ素濃度900〜1000ppmの歯磨き粉を使い始めます。

使用量は1〜2mm程度(米粒程度)です。歯科医師等の指導の下、保護者が行うようにしてください。フッ素入り歯磨き粉の使用は1日2回(うち1回は就寝前)が推奨されます。

歯磨き後のうがいは少量の水で1回、もしくはティッシュ等で軽く拭いても構いません。歯磨き粉は子供の手の届かないところに保管してください。

3歳〜5歳|フッ素濃度900〜1000ppm

3歳から5歳までは、フッ素濃度900〜1000ppmの歯磨き粉を5mm以下(グリンピース程度)使用します。

保護者が適量出して使用するようにしてください。フッ素入り歯磨き粉の使用は1日2回(うち1回は就寝前)が推奨されます。歯磨き後のうがいは少量の水で1回にとどめましょう。

6歳〜成人・高齢者|フッ素濃度1400〜1500ppm

永久歯が生え揃った6歳以上では、フッ素濃度1400〜1500ppmの歯磨き粉が最もおすすめです。

6歳から14歳までは1.5〜2cm程度(歯ブラシ全体)、15歳以上は2cm程度(歯ブラシ全体にたっぷり)を使用します。フッ素入り歯磨き粉の使用は1日2回(うち1回は就寝前)が推奨されます。

歯磨き後のうがいは少量の水で1回にとどめることが大切です。

 

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フッ素の効果を最大化する正しい使い方

フッ素配合歯磨き粉の効果を最大限に引き出すには、使い方にもコツがあります。

歯磨きの時間は2〜3分が望ましい

フッ素を歯に行き渡らせるためには、2分以上しっかり磨くことが重要です。

理想的には15〜20分ほど歯に残すのが良いとされていますが、まずは2〜3分かけて丁寧にブラッシングすることを心がけましょう。

少量の水でうがいの回数は1回にする

これは非常に重要なポイントです。

フッ素は歯に留まってこそ効果を発揮します。そのため、コップ1/4の水(5〜15ml程度)で1回だけすすぐのが理想的です。すすぎすぎるとフッ素が流れてしまい、効果が半減してしまいます。

もしくは「うがいなし」の方法も効果的です。

就寝前に使用するとさらに効果アップ

睡眠中は唾液量が減り、虫歯が進行しやすくなります。

そのため、就寝前のフッ素歯磨きは最も効果的なタイミングです。1日2回の歯磨きのうち、1回は必ず就寝前に行うようにしましょう。

 

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フッ素の安全性|体に害はないの?

「フッ素は毒ではないの?」とご心配される方もいらっしゃいます。

確かに元素としてのフッ素は強い毒性を持っていますが、歯科医療で使われているのは「フッ化物」という安定した形です。歯磨き粉や洗口液に含まれているフッ素濃度は非常に低く、適切に使う限り安全性がしっかり確立されています。

急性中毒のリスクは極めて低い

フッ化物を一度に大量に摂取してしまいますと、腹部症状(悪心、嘔吐、下痢など)や中毒症状を引き起こす可能性があります。

しかし、これまでにフッ化物を配合した製剤や歯みがき剤、洗口液などにより副作用が発現したという報告はなく、承認取り消しになった製品もありません。一回量を誤って大量に飲み込んでしまった場合でも、こうした症状が起こることはきわめて少ないといえます。

ただし、お子さまが誤って大量に飲み込んでしまわないよう、歯みがき剤や洗口液は手の届かないところに保管してください。

慢性中毒(フッ素症)のリスクも低い

長期に大量のフッ化物を摂取してしまうと、まれに歯や骨に「フッ素症」がおこる場合があります。

歯のフッ素症は、歯面全体にチョークのような白斑ができるものです。ただし、これまでの疫学調査の結果から、こうした症状がおこるのは飲料水中のフッ素濃度が日本の基準値の2.5倍以上であった場合に限られます。

したがって、現在の日本では気にすることはなく、水道水にフッ素が高濃度で添加されている国での注意事項となります。骨のフッ素症は、さらに高濃度のフッ化物飲料水によって引き起こされますので、特別な状況により引き起こされるものであると考えてよいでしょう。

 

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フッ素配合歯磨き粉の選び方|3つのポイント

フッ素配合歯磨き粉を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。

年齢に合わせたフッ素濃度を選ぶ

虫歯予防、歯質強化という観点から考えると、フッ素配合のものやハイドロキシアパタイトの含有している歯磨き剤が適しています。

ただし、お子様の年齢によっては、フッ素濃度のことを考えなければなりません。虫歯予防、歯質強化という観点から考えるとフッ素濃度が高い方が効果がありますが、フッ素濃度が高い歯磨き剤を小児に使用するとフッ素中毒をまれに起こすことがあります。

小児に大人用の歯磨き剤を使用するのは避けた方が良いでしょう。

発泡剤や研磨剤の有無を確認する

体の安全性を考えた場合、発泡剤や研磨剤などが入っていないものの選択するのがベストです。

発泡剤が含まれていると成人の場合はすっきりした感じがあって好まれますが、赤ちゃんの場合は刺激があり嫌がることが多いからです。さらにブクブクうがいが困難なので、歯磨き剤を使用時の泡を完全に洗い流すことが困難になります。

研磨剤が含まれているケースでは、赤ちゃんの歯は歯質が柔らかいため歯の表面を傷つけてしまう可能性があります。できるだけ避けた方が良いでしょう。

ジェルタイプやうがい不要タイプも検討する

赤ちゃんに使用する歯磨き剤は、無添加で低刺激なもの、飲み込んでも安心なものを選ぶことが重要です。

一般的にはジェルタイプのものが良いと思います。そして、うがいは不要な歯磨き剤を使用することが大切です。歯磨き粉のパッケージに「うがい不要」と書かれていることが多いので、そちらを確認してから使用してください。

 

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フッ素塗布は保険で行えるの?

フッ化物歯面塗布は、一定の条件をクリアすれば保険で行うことができます。

できない場合もありますので、かかりつけの歯科医院にご相談ください。主に歯科医院で高濃度フッ素を歯に塗布する方法があり、「トレー法」「イオン導入法」、直接塗布など、歯科医院により若干の違いがあります。

フッ化物を使った虫歯予防は、効果や安全性、コスト、手間を考えると、とても有用性の高い手段です。このため、私たち歯科医師は患者さまにフッ化物応用をお勧めしています。

フッ素以外の虫歯予防法も併用しよう

虫歯の予防法はフッ化物応用だけでなく、歯みがき、仕上げみがき、食べものの質と食べる頻度、定期検診など多岐にわたります。

フッ素配合歯磨き粉を使用することは非常に有効ですが、それだけで完璧に虫歯を防げるわけではありません。日々の丁寧なブラッシング、規則正しい食生活、定期的な歯科検診を組み合わせることで、より確実な虫歯予防が実現します。

当院では、患者さまお一人おひとりの口腔状態に合わせた予防プログラムをご提案しています。フッ素塗布をはじめ、シーラント、ブラッシング指導など、総合的な虫歯予防に取り組んでいます。

 

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まとめ|フッ素を正しく活用して虫歯予防を

フッ素は虫歯予防にもっとも有効で安全性が高い物質として、長期にわたる疫学的、医学的な研究で明らかにされています。

使用法が簡便で低コストでもあることから、医療経済の観点でも有用性が高いと考えられています。ただし、年齢や状況により適切な濃度や使い方があり、正しく活用しなければ本来の効果を引き出せません。

年齢に合わせたフッ素濃度を選び、適切な使用量を守り、就寝前の使用や少量の水でのうがいなど、効果を最大化する使い方を実践しましょう。

まだフッ化物応用に不安や疑問を抱かれている方は、かかりつけの歯科医師とご相談の上、それ以外の予防法を強化することで虫歯予防に努めてください。

フッ素配合歯磨き粉についてさらに詳しく知りたい方、お子様の虫歯予防についてご相談されたい方は、ぜひお気軽にご来院ください。

著者情報
  • アーブル歯科クリニック 院長 田中 雄一
  • 略歴
  • 2007年日本大学松戸歯学部卒業
  • 2007年日本大学松戸歯学部附属病院 臨床研修医
  • 2008年~2014年一般開業医勤務
  • 2014年アーブル歯科クリニック開院
  • 所属団体
  • 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座 非常勤
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本顎咬合学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • AICインプラント専門医
  • BPSデンチャークリニカル 認定医
  • スウェーデン歯科学会
  • 口腔感染症予防外来認定医
  • POIC研究会 ホームケアアドバイザー認定
  • 私立アスクかなでのもり第二保育園 嘱託医
  • ブレーメン津田沼保育園 嘱託医
  • リトルガーデンインターナショナルスクール新習志野校 嘱託医
  • クニナ奏の杜保育園 嘱託医
  • 習志野市立谷津小学校 学校歯科医
  • 矯正医
  • 田中 慶子
  • 所属団体
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン 認定医

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