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2025.09.13

インビザラインファーストと医療費控除〜賢い活用法

インビザラインファーストに医療費控除は活用できる?

小学生のお子さまの歯並びが気になり始めたとき、多くの保護者の方が「早めに矯正を始めるべきか」「費用はどのくらいかかるのか」と悩まれます。特に透明なマウスピース型矯正装置「インビザラインファースト」は、見た目や機能面で注目を集めていますが、治療費が高額になることも事実です。

この記事では、インビザラインファーストの特徴や費用、そして医療費控除を活用した賢い費用負担の軽減方法について詳しく解説します。お子さまの健やかな成長と笑顔のために、矯正治療を検討されている保護者の方はぜひ参考にしてください。

インビザラインファーストの治療の流れと期間

インビザラインファーストとは

インビザラインファーストは、小学生(7〜10歳頃)のお子さま向けの透明で取り外し可能なマウスピース型矯正装置です。

従来の矯正装置と大きく異なるのは、金属のワイヤーやブラケットを使用せず、透明なプラスチック製のマウスピースを使うという点です。これにより、装置が目立たず、お子さまの見た目に対する心理的負担を軽減できます。また、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に外すことができ、虫歯リスクの軽減にもつながります。

治療の流れと期間

インビザラインファーストの治療は、お子さまの成長段階に合わせて進めていきます。全体の流れは大きく分けて「第1期治療」と「第2期治療」に分かれています。

第1期治療

乳歯と永久歯が混在する時期(小学校低学年)に行います。まず上顎1番が生えた時点で⻭列矯正⽤咬合誘導装置(プレオルソ)による準備矯正を始めます。その後、上顎2番が生えたらインビザラインファーストを最大1年半使用し、歯並びの土台作りを行います。

永久歯が生えそろうまでは、歯並びの安定装置(リテーナー)を使用し、歯並びの土台作り・永久歯生えかわりのサポートを継続します。そして永久歯生えかわり完了時期に、必要に応じて「第2期治療」へと進みます。

第2期治療

インビザラインファーストの装着は1日20時間が推奨されており、お子さま自身の協力とモチベーションが治療成功の鍵となります。マウスピースは1週間ごとに自宅で交換していただき、通院は1.5〜2ヶ月ごとと比較的少なめです。

なお、インビザラインファーストは治療期間の上限が最大1年半と短期間であるため、当院では永久歯生えかわり期間全体を管理できるよう、必要に応じて従来の1期治療装置(プレオルソやリテーナー)を併用しています。

インビザラインファーストの費用

インビザラインファーストの治療費用は、歯科医院や治療内容によって異なりますが、一般的な相場は40万円から80万円程度です。

当院でのインビザラインファーストの費用は、マウスピース本体が45万円+税、保定装置が5万円+税の合計50万円+税となっています。また、調整費として5000円+税がかかります。

インビザラインファーストの費用内訳

インビザラインファーストの費用は、大きく分けて以下の項目で構成されています。

  • カウンセリング費用(無料〜1万円程度)
  • 精密検査費用(1万円〜5万円程度)
  • マウスピース製作費用(40万円〜60万円程度)
  • 通院・調整費用(1回あたり3,000円〜5,000円程度)
  • 保定装置費用(2万円〜5万円程度)

治療費の総額に装置代や通院ごとの調整料・治療後の保定装置代などがすべて含まれているかどうかは、歯科医院によって異なります。一見安く見える費用でも、通院ごとに追加費用がかかると結果的に総額が高くなることもあるため、事前に確認することが重要です。

また、インビザラインファーストは成長期のお子さまを対象としているため、歯の生え変わりによって歯列の状態が大きく変化し続けます。そのため、治療計画の変更や装置の再作製が必要になる場合もあります。

インビザラインファーストと医療費控除

インビザラインファーストの治療費は高額になりがちですが、医療費控除を利用することで経済的負担を軽減できる可能性があります。

医療費控除とは

医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を通じて所得税の一部が還付される制度です。生計を同一にしている家族の医療費もまとめて申請することができます。

医療費控除の対象となる金額は、実際に支払った医療費から保険金などで補填された金額を差し引き、さらに10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を差し引いた額となります。控除の上限額は200万円です。

インビザラインファーストは医療費控除の対象になる?

小児矯正(インビザラインファースト)の場合、基本的に噛み合わせの改善や体の発育段階における治療目的と判断されるため、医療費控除の対象になることが多いです。

ただし、矯正目的がどのようなものになるかは担当医師が最終的に判断するため、治療開始前に歯科医師に確認することをおすすめします。当院では、インビザラインファーストによる矯正治療は医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象となる費用

インビザラインファーストによる矯正において、医療費控除の対象になるのはマウスピースの費用や調整料だけではありません。以下のような費用も含まれます。

  • レントゲンなどの検査料
  • 矯正診断料
  • 通院するためにかかった交通費(電車やバスなどの公共交通機関)
  • 抜歯・虫歯の治療費
  • 痛み止めの薬の費用
  • 付き添いの方の交通費

ただし、自家用車のガソリン代や審美目的のセラミック治療の費用、ホワイトニングの費用などは、医療費控除の対象にはなりません。

インビザラインファーストの医療費控除を受けるための手続き

インビザラインファーストの治療費で医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。手続きの流れは以下の通りです。

必要な書類と準備

医療費控除を申請するためには、以下の書類を準備しましょう。

  • 確定申告書(医療費控除を申請する旨を記載)
  • 医療費控除の明細書
  • 医療費の領収書(または医療費通知書)
  • マイナンバーカードまたは通知カード
  • 身分証明書(運転免許証など)
  • 印鑑
  • 還付金の振込先口座情報

インビザラインファーストの治療は自由診療のため、医療費通知書には記載されていません。必ず領収書を保管しておきましょう。

申請のタイミングと方法

医療費控除の申請は、医療費を支払った年の翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間に行います。例えば、2025年に支払った医療費の控除申請は、2026年の確定申告期間に行うことになります。

申請方法は、税務署に直接出向く方法のほか、e-Taxを利用したオンライン申請も可能です。オンライン申請の場合、自宅からいつでも手続きができ、添付書類の提出も省略できるケースがあるため便利です。

医療費控除を最大限活用するコツ

医療費控除を効果的に活用するためのポイントをいくつかご紹介します。

  • 家族全員の医療費をまとめて申請する
  • 矯正治療以外の医療費(薬局での市販薬購入など)も合算する
  • 通院にかかった交通費も忘れずに計上する
  • 高額な治療費が見込まれる場合は、できるだけ同一年内に支払いを集中させる
  • 領収書は必ず5年間保管する(税務調査に備えて)

特に矯正治療は複数年にわたることが多いため、各年の医療費総額が10万円を超えるよう、他の医療費と合わせて計画的に申告することが重要です。

インビザラインファーストの費用負担を軽減する他の方法

医療費控除以外にも、インビザラインファーストの費用負担を軽減する方法があります。

デンタルローンの活用

多くの歯科医院では、高額な矯正治療費の負担を軽減するためにデンタルローンを提供しています。月々の支払いに分割することで、一度の大きな出費を避けることができます。金利や手数料が発生する場合もありますので、事前に確認しましょう。

治療期間を延ばさないための工夫

インビザラインファーストは、お子さまの装着時間の遵守が治療成功の鍵です。1日20時間の装着を守らないと、治療期間が延びたり、マウスピースの再作製が必要になったりして、追加費用が発生する可能性があります。

保護者の方がお子さまの装着状況をしっかりと管理し、定期的な通院を欠かさないことで、余計な費用発生を防ぐことができます。

複数の医院での相談と比較

インビザラインファーストの費用は医院によって異なります。複数の歯科医院でカウンセリングを受け、費用やサービス内容を比較検討することも一つの方法です。ただし、単に費用の安さだけでなく、医師の経験や技術、アフターケアの充実度なども考慮して選ぶことが大切です。

まとめ

インビザラインファーストとプレオルソ、それぞれの特徴と違いについてご紹介してきました。どちらも小学生のお子さんを対象とした矯正装置で、それぞれに適し

インビザラインファーストは、お子さまの成長期に合わせた効果的な矯正治療法ですが、費用面での負担が気になるところです。医療費控除を活用することで、その負担を軽減できる可能性があります。

当院では、お子さまの歯並びに関するご相談を随時承っております。7歳頃(小学2年生)から矯正治療計画を立て始めることで、将来的な歯並びの問題を予防し、より効果的な治療が可能になります。

お子さまの健やかな成長と素敵な笑顔のために、ぜひアーブル歯科クリニックに一度ご相談ください。経験豊富な矯正専門医が、お子さま一人ひとりに合った最適な治療プランをご提案いたします。

著者情報
  • アーブル歯科クリニック 院長 田中 雄一
  • 略歴
  • 2007年日本大学松戸歯学部卒業
  • 2007年日本大学松戸歯学部附属病院 臨床研修医
  • 2008年~2014年一般開業医勤務
  • 2014年アーブル歯科クリニック開院
  • 所属団体
  • 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座 非常勤
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本顎咬合学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • AICインプラント専門医
  • BPSデンチャークリニカル 認定医
  • スウェーデン歯科学会
  • 口腔感染症予防外来認定医
  • POIC研究会 ホームケアアドバイザー認定
  • 私立アスクかなでのもり第二保育園 嘱託医
  • ブレーメン津田沼保育園 嘱託医
  • リトルガーデンインターナショナルスクール新習志野校 嘱託医
  • クニナ奏の杜保育園 嘱託医
  • 習志野市立谷津小学校 学校歯科医
  • 矯正医
  • 田中 慶子
  • 所属団体
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン 認定医

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