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2025.10.25

インビザラインで叢生を治療する方法~複雑な歯並びも改善可能~

叢生とは?ガタガタの歯並びが引き起こす問題

歯並びがデコボコしている状態を「叢生(そうせい)」といいます。特に前歯部分で見られることが多く、歯が重なり合ってガタガタになっている状態です。

叢生は見た目の問題だけではありません。実は、あなたのお口の健康に深刻な影響を与える可能性があるのです。

叢生の原因は主に5つあります。顎と歯のサイズのバランスが悪い場合、遺伝的要因、顎の発育不足、乳歯の早期脱落、そして小さい頃のお口の癖などです。

特に現代人は柔らかい食べ物が多くなったことで顎の発達が十分でなく、叢生になりやすい傾向があります。

叢生をそのままにしておくリスクとは

叢生をそのままにしておくと、様々な問題が生じる可能性があります。

歯磨きへの影響

歯と歯が重なっていると、どんなに丁寧に歯磨きをしても、歯ブラシの毛先が届かない部分ができてしまいます。その結果、プラーク(歯垢)や歯石が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。

咀嚼への影響

歯並びの乱れは咀嚼(そしゃく)機能にも影響します。食べ物をしっかり噛めないと、胃腸への負担が増大し、消化器官全体に影響を及ぼすことも。

口臭への影響

歯周病が進行すると口臭の原因にもなります。歯周病菌がお口の中のタンパク質を分解して、揮発性硫黄化合物という口臭の原因物質を発生させるからです。

インビザラインは叢生の治療に効果的?

  • 「こんなにガタガタの歯並びでもインビザラインで治せるの?」

    これは私がよく患者さんから受ける質問です。結論から言うと、インビザラインは多くの叢生ケースで効果的な治療法となります。特に技術の進化により、以前は対応が難しかった症例にも適用できるようになってきています。

    軽度から中等度の叢生

    軽度から中等度の叢生であれば、インビザラインだけで対応できることがほとんどです。前歯が少し重なっていたり、軽くねじれているような状態は、インビザラインの得意とする領域です。

    重度の叢生

    重度の叢生の場合、歯を並べるスペースが大幅に足りないことが多く、抜歯を伴う治療が必要になるケースがあります。

    インビザラインが得意とする歯の動かし方には、以下のようなものがあります。

    • 奥歯を歯茎側に押し込む動き(圧下)
    • 歯槽骨(歯を支える骨)に沿って歯並びを整列させる動き
    • 歯の位置や傾きを治す動き

    あなたの歯並びがどのタイプに当てはまるか、まずは診断が重要です。

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  • インビザラインによる叢生治療の流れ

  • インビザラインでの叢生治療は、以下のステップで進みます。

    1. 精密検査とカウンセリング

    まずは精密検査を行います。レントゲン撮影、口腔内写真撮影、そしてデジタル印象採得装置「iTeroelement5D アイテロ」でお口の中をスキャンします。

    その後、検査結果を基にカウンセリングを実施。あなたの叢生の状態や原因、治療方法、期間、費用などについて詳しくご説明します。

  • 2. 治療計画の立案とシミュレーション

    検査データを基に、「クリンチェック」というシミュレーションソフトで治療計画を立てます。歯の動きを0.1mm単位で設計し、最終的な歯並びをシミュレーションします。

    このシミュレーションをご覧いただきながら、治療のゴールや過程について詳しくご説明します。「こんなに美しい歯並びになるんだ」と実感していただくことで、治療へのモチベーションも高まります。

    3. マウスピース装着と治療開始

    オーダーメイドのマウスピースが完成したら、装着方法や注意点などをご説明します。マウスピースは1日20時間以上装着していただくのが基本です。

    1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。各段階のマウスピースは少しずつ形状が異なり、徐々に理想の歯並びに近づけていきます。

  • 4. 定期的な通院とチェック

    治療中は1〜2ヶ月に1回程度の通院が必要です。歯の動きや口腔内の状態をチェックし、必要に応じて調整を行います。

    通院の際には、マウスピースの装着状況や気になる点などもお聞きします。何か不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。

    5. 治療完了と保定

    予定していた治療が完了したら、保定装置を装着します。これは治療後の歯並びを維持するために重要なステップです。

    保定装置は、上下の歯に合わせて作製します。装着期間や方法については、個々の状態に合わせてご説明します。

  • インビザラインの費用と保証制度

    当院でのインビザライン治療費用は以下の通りです。

  • 項目 内容・説明 料金(税込)
    精密検査 レントゲン撮影・口腔内写真撮影・歯型取り・歯列シミュレーションなど
    治療計画を立てるために必要な検査。
    33,000円
    インビザラインライト 前歯部の部分矯正に適したプラン。軽度の歯列不正に対応。
    保証制度: 矯正日より2年間のうち1回まで追加制作費無料。
    495,000円
    インビザラインフル 全顎矯正に対応するプラン。中等度〜重度の歯列不正に適応。
    保証制度: 矯正日より5年間のうち2回まで追加制作費無料。
    一括支払いの場合: 100,000円減額 → 825,000円。
    935,000円
    歯並び調整料金 月1〜3回程度の調整料。 5,500円
    経過観察・後戻り防止 矯正治療後の後戻り防止・経過観察(1〜3ヶ月に1回程度)。 3,300円
    矯正のための抜歯 必要な場合のみ実施。 1歯 5,500円
    保定装置 治療後の歯列保持のために使用。 33,000〜55,000円
  • インビザライン治療は自由診療となりますが、医療費控除の対象になります。
    年間の医療費が10万円を超える場合は、確定申告により税金の還付を受けられる可能性があります。

    歯並び保証制度について

    当院では、治療後の歯並びに安心をお届けするため、保証制度を設けています。

    保証制度について

    • インビザラインライト: 矯正日より2年間のうち1回は追加制作費無料
    • インビザラインフル: 矯正日より5年間のうち2回は追加制作費無料

    この保証制度により、万が一歯並びに後戻りが生じた場合でも、安心して再治療を受けることができます。

    治療に関するリスク・副作用

    どんな医療行為にもリスクや副作用はあります。インビザライン治療についても、正しく理解しておくべき点があります。

  • Smile View(スマイルビュー)

    スマホで笑顔を撮影するだけで、矯正後の歯並びシミュレーションをAIが自動生成します。

    📸 撮影の流れ
    【STEP1】 診断スタートをタップ
    【STEP2】
    ・同意事項にチェックして「写真を撮影する」を選択
    ・歯が見えるように笑顔で自撮り
    【STEP3】
    AIが矯正した場合の笑顔イメージを無料診断します。
    ※メール入力はスキップ(キャンセル)しても診断結果はそのまま表示されます。何度でもお試し可能です。
    綺麗に診断されるための撮影ポイント

    奥歯をしっかり噛んで笑顔に
    上の歯がしっかり見えていると、AI診断の精度が高くなります。自然な笑顔で、歯を隠さないように意識しましょう.

    下唇のカーブに沿って歯が並ぶのが理想
    スマイルライン(歯のカーブ)が下唇のラインと自然に沿っていると、より美しい診断結果が得られます。

    ※出っ歯など前後のズレが大きい症例では、診断表示がわかりにくいことがあります。

  • インビザラインの注意点とリスク

    インビザラインは多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点やリスクもあります。

    まず、マウスピースは1日20時間以上装着することが重要です。装着時間が不足すると、治療期間が延長したり、理想の結果が得られない可能性があります。

    治療開始直後は、マウスピースによる不快感や軽い痛みを感じることがあります。通常は数日から1〜2週間で慣れていきますが、個人差があります。

    また、歯の動き方には個人差があるため、予想された治療期間が延長する可能性もあります。

    矯正治療に伴う一般的なリスクとしては、以下のようなものがあります:

    • 歯根が吸収して短くなることがある
    • 歯ぐきがやせて下がることがある
    • ごくまれに歯が骨と癒着していて動かないことがある
    • 治療中に顎関節症状が出ることがある
    • 装置を外す時にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性がある
    • 保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性がある

    これらのリスクについては、治療前のカウンセリングで詳しくご説明します。何か不安なことがあれば、遠慮なくご質問ください。

    • 予約リンク
    • インビザライン症例1

    • 診断名 叢生
      年齢 20代
      治療期間 21ヶ月
      治療回数 26回
      抜歯部位 上下左右4番
      治療装置 カスタムメイド型マウスピース矯正装置(インビザライン)
      治療費 ¥750,000 + 消費税(来院時の歯並び調整費用 ¥5,000 + 消費税)
      リスク・副作用
      • 口腔内・歯並びの状態によっては対応できない場合があります
      • マウスピース型矯正装置の長時間装着(1日20時間以上)が必要です
      • 治療計画通りに進めるために、患者様自身での装着管理が重要になります
      • 矯正治療後の保定が必ず必要になります。不十分な場合は後戻りする可能性があります
      • 自費診療(保険適用外)となります
      • インビザライン症例2

      • 診断名 一部反対咬合・前歯部の叢生 (改善するために歯の移動距離を4mm以上と診断)
        年齢 19歳
        治療期間 12ヶ月
        治療回数 8回
        抜歯部位 なし
        治療装置 カスタムメイド型マウスピース矯正装置(インビザライン)
        治療費 ¥750,000 + 消費税(来院時の歯並び調整費用 ¥5,000 + 消費税)
        リスク・副作用
        • 口腔内・歯並びの状態によっては対応できない場合があります
        • マウスピース型矯正装置の長時間装着(1日20時間以上)が必要です
        • 治療計画通りに進めるために、患者様自身での装着管理が重要になります
        • 矯正治療後の保定が必ず必要になります。不十分な場合は後戻りする可能性があります
        • 自費診療(保険適用外)となります
      • インビザライン症例3

      • 診断名 開咬 叢生 (改善するために歯の移動距離を4mm以上と診断)
        年齢 30歳
        治療期間 27ヶ月
        治療回数 16回
        抜歯部位 なし
        治療装置 カスタムメイド型マウスピース矯正装置(インビザライン)
        治療費 ¥750,000 + 消費税(来院時の歯並び調整費用 ¥5,000 + 消費税)
        リスク・副作用
        • 口腔内・歯並びの状態によっては対応できない場合があります
        • マウスピース型矯正装置の長時間装着(1日20時間以上)が必要です
        • 治療計画通りに進めるために、患者様自身での装着管理が重要になります
        • 矯正治療後の保定が必ず必要になります。不十分な場合は後戻りする可能性があります
        • 自費診療(保険適用外)となります

    よくある質問

    Q: インビザラインは痛みがありますか?

    新しいマウスピースに交換した直後は軽い違和感や圧迫感を感じることがありますが、通常のワイヤー矯正に比べて痛みは少ないとされています。数日で慣れることが多いです。

    Q: 治療期間はどのくらいですか?

    叢生の程度によって異なりますが、軽度の場合は約6ヶ月〜1年、中等度から重度の場合は1年半〜2年程度かかることが一般的です。個人差がありますので、詳しくは診断後にお伝えします。

    Q3: 食事制限はありますか?

    マウスピースは食事の際に外すため、基本的に食事制限はありません。ただし、マウスピース装着中の飲食は水以外は避けてください。着色や変形の原因になります。

    Q4: 抜歯は必ず必要ですか?

    必ずしも抜歯が必要というわけではありません。叢生の程度や顎の大きさによって判断します。軽度から中等度の叢生であれば、IPR(歯間拡大法)などの技術で抜歯を回避できることもあります。

    Q5: 矯正後の後戻りはありますか?

    矯正治療後は保定装置を適切に使用することで後戻りを防ぐことができます。当院では保定装置の使用方法を丁寧にご説明し、定期的な経過観察で後戻りを防止します。

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    まとめ:インビザラインで叢生を改善し、健康的な歯並びを手に入れよう

    叢生(ガタガタの歯並び)は見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病のリスク増加、咀嚼機能の低下、口臭など、様々な問題を引き起こす可能性があります。

    インビザラインは、透明で取り外し可能なマウスピース型矯正装置で、従来のワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、お口の衛生管理もしやすいというメリットがあります。

    軽度から中等度の叢生であればインビザライン単独で対応できることが多く、重度の叢生でも適切な診断と治療計画があれば、インビザラインで改善できるケースが増えています。

    当院では最新のデジタル技術を駆使し、精密な診断と治療計画を立てることで、より効果的なインビザライン治療を提供しています。

    もし叢生でお悩みなら、アーブル歯科クリニックの無料相談にお越しください。あなたの歯並びに合わせた最適な治療法をご提案します。

    著者情報
    • アーブル歯科クリニック 院長 田中 雄一
    • 略歴
    • 2007年日本大学松戸歯学部卒業
    • 2007年日本大学松戸歯学部附属病院 臨床研修医
    • 2008年~2014年一般開業医勤務
    • 2014年アーブル歯科クリニック開院
    • 所属団体
    • 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座 非常勤
    • 日本口腔インプラント学会
    • 日本顎咬合学会
    • 日本臨床歯周病学会
    • AICインプラント専門医
    • BPSデンチャークリニカル 認定医
    • スウェーデン歯科学会
    • 口腔感染症予防外来認定医
    • POIC研究会 ホームケアアドバイザー認定
    • 私立アスクかなでのもり第二保育園 嘱託医
    • ブレーメン津田沼保育園 嘱託医
    • リトルガーデンインターナショナルスクール新習志野校 嘱託医
    • クニナ奏の杜保育園 嘱託医
    • 習志野市立谷津小学校 学校歯科医
    • 矯正医
    • 田中 慶子
    • 所属団体
    • 日本矯正歯科学会 認定医
    • インビザライン 認定医

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日本スウェーデン歯科学会