「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、また虫歯になった」「治療したのにすぐ別の場所が虫歯になる」そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。
虫歯は、ただ「磨き方が悪い」だけでなるものではありません。口腔内の菌のバランス、唾液の量や質、歯の形や並び、生活習慣、さらにはストレスやホルモンバランスまで、複数の要因が重なって起きる感染症です。
「自分は虫歯になりやすい体質だから仕方ない」と諦めている方も、実は体質の多くは後天的な要因によるものであり、改善できる可能性があります。
この記事では、虫歯になりやすい人に共通する特徴と原因、そして繰り返す虫歯を改善するためのアプローチについて、解説します。

- 虫歯になりやすい人の特徴7つ
- 「歯磨きしているのに虫歯になる」3つの理由
- 繰り返し虫歯になる人に共通すること
- 虫歯になりやすい体質は変えられる?
- 習志野市・奏の杜の患者さんへ|当院の3つのアプローチ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|「虫歯になりやすい」は変えられる
当院はママと子供の歯医者さん加盟医院です
ママとこどものはいしゃさんのロゴマークは厳しい審査基準をクリアした医院だけがつけている「安心・安全の歯科医院のシンボルマーク」です。

虫歯になりやすい人の特徴7つ
「虫歯になりやすい人」には、いくつかの共通した特徴があります。自分に当てはまるものがないか、確認してみてください。
①口腔内の虫歯菌が多い
虫歯の直接の原因菌はミュータンス菌(ミュータンスレンサ球菌)です。この菌は食べ物の糖分を分解して酸を産生し、歯のエナメル質を溶かすことで虫歯を引き起こします。
口腔内のミュータンス菌の量は人によって異なります。菌量が多い人は、同じ食生活・同じ磨き方をしていても虫歯になりやすくなります。
ミュータンス菌は生まれたての赤ちゃんの口腔内には存在せず、乳幼児期に親や周囲の大人から唾液を介して感染します(感染の窓:生後1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月頃)。この時期に感染した虫歯菌の量や種類が、その後の虫歯になりやすさに影響します。
一方で、菌量は後天的に変えることが可能です(詳細は後述)。
②唾液の量が少ない・緩衝能が低い
唾液には、口腔内を中性に保つ「緩衝能」、溶けかけた歯を修復する「再石灰化促進」、細菌の繁殖を抑える「抗菌作用」という3つの虫歯予防機能があります。
唾液の分泌量が少ない人、または唾液の緩衝能が低い人は、食後の口腔内pH回復が遅くなり、歯が酸に長時間さらされることで虫歯リスクが高まります。
唾液が減少する要因としては、口呼吸の習慣、水分不足、ストレス、加齢、一部の薬の服用(抗ヒスタミン薬・降圧薬・抗うつ薬など)があります。
③歯並びが悪い・歯の溝が深い
歯並びが乱れていると、歯と歯が重なった部分や歯間部に歯ブラシの毛先が届かず、磨き残しが生じやすくなります。プラーク(歯垢)が蓄積した場所は虫歯のリスクが高い場所です。
また、奥歯の噛み合わせ面には「フィッシャー(小窩裂溝)」と呼ばれる溝があり、この溝が深い形状の歯は、食べかすや細菌が入り込みやすく虫歯になりやすい傾向があります。溝の深さは先天的な要因によるものですが、シーラント(溝を樹脂でふさぐ予防処置)によってリスクを下げることができます。
④食習慣に問題がある
甘いものの摂取量が多いことはもちろん、「食べる回数・タイミング」が虫歯リスクに大きく影響します。間食が多い・だらだら食べ続けるという習慣があると、口腔内が酸性状態にある時間が長くなり、唾液による回復が追いつかなくなります。
また、炭酸飲料・スポーツドリンク・果汁ジュースなどをこまめに飲む習慣も同様です。液体は歯の表面全体に広がるため、固形物よりも広範囲に酸の影響が及びます。
⑤口呼吸の習慣がある
口で呼吸する習慣があると、口腔内が乾燥しやすくなります。唾液の自浄作用・抗菌作用が低下し、虫歯菌が増殖しやすい環境が生まれます。
口呼吸は、花粉症などのアレルギー性鼻炎や鼻詰まり、歯並びの問題(開咬など)、習慣化によって起こります。就寝中に口を開けている・起床時に口の中が乾いていると感じる方は口呼吸が疑われます。
⑥歯ぎしり・食いしばりの習慣がある
強い力での歯ぎしりや食いしばりは、エナメル質を物理的に摩耗・損傷させます。エナメル質が薄くなったり亀裂が入ったりした部分は、虫歯菌が定着しやすくなります。
また、詰め物や被せ物が過度な力で変形・損傷すると、歯との境目に微細な隙間ができ、そこから虫歯が再発するリスクが高まります。
⑦ストレス・ライフイベントによる全身状態の変化
ストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、唾液の分泌量が減少します。また免疫力が低下することで、口腔内の菌のバランスも崩れやすくなります。
妊娠・出産後の時期は特に注意が必要です。つわりによる嘔吐で口腔内が酸性になりやすいこと、食事の回数が不規則になること、セルフケアが後回しになりやすいこと、ホルモンバランスの変化で唾液の性状が変わることなど、複数の要因が重なって虫歯リスクが高まります。産後に「急に虫歯が増えた」と感じる方が多いのは、このためです。
「歯磨きしているのに虫歯になる」3つの理由
毎日歯を磨いているにもかかわらず虫歯になってしまう場合、主に以下の3つの理由が考えられます。
①磨けていない場所がある
歯磨きをしているつもりでも、実際に清掃できているのは歯の表面全体の約60%程度とされています。虫歯が最も起きやすい場所は、歯と歯の間・歯と歯ぐきの境目・奥歯の溝・歯が重なっている部分など、歯ブラシの毛先が届きにくい場所です。
これらの部位には、デンタルフロス・歯間ブラシ・タフトブラシといった補助器具の使用が効果的です。歯科医院でのブラッシング指導を受け、自分の磨き残しの癖を把握することも重要です。
②唾液が少なく・乾燥しがちな口腔環境
いくら歯磨きをしても、口腔内の環境が虫歯菌にとって過ごしやすい状態であれば虫歯は発生します。唾液が少ない・緩衝能が低い状態では、食後の酸性化からの回復が遅く、エナメル質の脱灰が進みやすくなります。
歯磨きはあくまで「プラークを除去する行為」であり、唾液環境が整っていなければ磨いても磨いても追いつかない状態になります。
③口腔内の菌叢バランスが乱れている
口腔内には700種以上の細菌が存在しており、善玉菌と悪玉菌が一定のバランスを保っています。このバランスが崩れ、ミュータンス菌などの虫歯菌が優勢な口腔フローラになっていると、どれだけブラッシングを頑張っても虫歯のリスクが下がりにくくなります。
口腔フローラの乱れは、抗生物質の使用、ストレス、食生活の偏り、口腔乾燥などによって引き起こされます。「磨いても虫歯になる」という方の根本原因として、この口腔フローラの乱れが関係しているケースが少なくありません。
繰り返し虫歯になる人に共通すること
一度虫歯を治療しても、また同じ場所や別の場所に虫歯ができてしまう「繰り返す虫歯」には、さらに特有の原因があります。
まず、治療した歯の二次齲蝕リスクがあります。詰め物・被せ物は経年劣化によって歯との境目に微細な隙間が生じ、そこからプラークが侵入して虫歯が再発します。二次齲蝕は自覚症状がなく進行しやすいため、定期検診での確認が重要です。
次に、根本的な口腔環境が改善されていないという問題があります。虫歯は「治療すれば終わり」ではなく、虫歯が発生しやすい口腔環境そのものが変わらなければ、別の場所にまた虫歯ができます。ブラッシングの改善だけでは対応しきれない場合、口腔フローラを整えるアプローチが鍵になります。
虫歯になりやすい体質は変えられる?
「自分は虫歯体質だから…」と諦めている方がいますが、虫歯になりやすさに関わる要因の多くは後天的なものであり、改善できる可能性があります。
ただし、従来の「磨いて菌を減らす」「甘いものを控える」というアプローチだけでは、口腔フローラの根本的なバランスを変えることは容易ではありません。
近年注目されているのが、「善玉菌を育てて虫歯菌が増えにくい口腔環境を作る」というプロバイオティクス的なアプローチです。口腔内の菌のバランスを整えることで、日常的なセルフケアの効果をより高めることが期待できます。
習志野市・奏の杜の患者さんへ|当院の3つのアプローチ
アーブル歯科クリニックでは、ブラッシング指導・食生活指導といった基本的な予防ケアに加え、口腔フローラを整える以下の3つのアプローチを虫歯予防の柱として取り入れています。「何度も虫歯になる」「虫歯になりやすい体質を変えたい」という方に特にご提案しています。
①虫歯菌の増殖を根本から抑える「ロイテリ菌バクテリアセラピー」
ロイテリ菌はヒトの母乳・消化管に由来する天然の乳酸菌で、口腔内のミュータンス菌と競合することで増殖を抑制する働きが確認されています。BioGaia社の研究報告では、2週間の継続摂取でミュータンス菌が約80%抑制されたというデータが示されています。
「磨いても虫歯になる」という方の根本原因のひとつが口腔内のミュータンス菌が多すぎることである場合、セルフケアの強化と並行してロイテリ菌を取り入れることで、菌量そのものを減らすアプローチが可能になります。
費用の目安:30日分 ¥2,700〜(製品により異なります・自費)
②善玉菌が育ちやすい口腔環境をつくる「バイオジェニックペーストα」
天然由来成分100%・化学薬品不使用の歯磨きペーストです。プロバイオティクス由来のBRMSを配合し、善玉菌が定着しやすい口腔環境をサポートします。従来の歯磨きペーストが「菌を殺す」アプローチであるのに対し、「菌のバランスを整える」という発想で作られており、毎日のブラッシングを予防ケアに変える役割を担います。
費用の目安:約1ヶ月分 55g ¥1,980(税込・自費)
③毎日の口腔除菌習慣を支える「ポイックウォーター」
塩と水から作られた次亜塩素酸含有の洗口液で、薬品不使用のため小さなお子さんや妊娠中・授乳中の方にも安心してお使いいただけます。毎食後のうがいに取り入れることで、口腔内の細菌バランスを清潔に保つことが期待できます。当院は2014年の開業当初からポイックウォーターを導入しており、「歯科治療水安全施設」として認定されています。
よくある質問(FAQ)
Q. 虫歯になりやすいのは遺伝ですか?
歯の形・歯質の硬さ・唾液の性状には遺伝的な要因が一部関与しています。ただし、虫歯になりやすさの多くは食習慣・セルフケアの習慣・口腔フローラのバランスといった後天的な要因によって決まります。「虫歯になりやすい家系」という場合も、感染の窓(乳幼児期)に家族から虫歯菌が感染したことが原因であるケースが多く、遺伝的に変えられない要素はごく一部です。改善できる要因に目を向けることが大切です。
Q. 歯磨きを1日3回しているのに虫歯になります。何が問題ですか?
回数よりも「磨けているかどうか」が重要です。歯と歯の間・歯ぐきの境目・奥歯の溝など、歯ブラシの毛先が届きにくい場所に磨き残しが蓄積していることが多くあります。デンタルフロスや歯間ブラシの併用、歯磨き粉の使用量・ブラッシング方法の見直しをおすすめします。また、口腔内の菌のバランスが乱れている場合は、ブラッシングだけでは対処しきれないこともあるため、歯科医院でのカウンセリングをご活用ください。
Q. ストレスで虫歯になることはありますか?
あります。慢性的なストレスは自律神経のバランスを乱し、唾液の分泌量を減少させます。唾液の自浄作用・抗菌作用・緩衝能が低下することで、口腔内が虫歯菌にとって増殖しやすい環境になります。また、ストレス下では甘いものへの欲求が高まる・セルフケアがおろそかになるといった行動面の変化も重なり、虫歯リスクが複合的に高まります。
Q. 妊娠中・産後は虫歯になりやすいと聞きましたが、なぜですか?
妊娠中はホルモンバランスの変化により唾液の性状が変わり、口腔内が酸性に傾きやすくなります。つわりによる嘔吐で口腔内が強酸性になるケースも多く、エナメル質が傷みやすい状態になります。産後は育児に追われてセルフケアが後回しになりやすく、不規則な食事・間食の増加も重なります。妊娠中・産後は特に意識した口腔ケアと定期検診が重要な時期です。
Q. 子どもが虫歯になりやすいのですが、親としてどうすればいいですか?
お子さんが虫歯になりやすい場合、親御さん自身の口腔内の菌量を減らすことが根本的な対策のひとつです。乳幼児期(感染の窓)に親から感染する菌量が少ないほど、お子さんが将来虫歯になりにくくなります。また、早期(生後6ヶ月頃を目安)から歯科医院での定期管理を始め、フッ素塗布・食生活指導・シーラントといった予防処置を積み重ねることが有効です。当院ではロイテリ菌を生後0日から使用できるため、妊娠中からの予防も対応しています


まとめ|「虫歯になりやすい」は変えられる
虫歯になりやすい原因は、口腔内の菌量・唾液の量と質・歯の形や並び・食習慣・口呼吸・ストレス・ライフイベントなど複数の要因が重なっています。「磨いているのに虫歯になる」「繰り返す虫歯が止まらない」という場合は、ブラッシングの問題だけでなく、口腔環境そのものの見直しが必要です。
虫歯になりやすさに関わる多くの要因は後天的なものであり、正しい対策を継続することで改善できる可能性があります。「体質だから仕方ない」と諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。
習志野市・奏の杜のアーブル歯科クリニックでは、唾液検査による口腔内リスク評価・ブラッシング指導・ロイテリ菌バクテリアセラピーなどを組み合わせた個別の予防プランをご提案しています。24時間WEB予約も承っております。
(→ 虫歯予防の具体的な方法については「虫歯予防に効果的な方法7選」もあわせてご覧ください)

著者情報
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- アーブル歯科クリニック 院長 田中 雄一
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略歴
- 2007年日本大学松戸歯学部卒業
- 2007年日本大学松戸歯学部附属病院 臨床研修医
- 2008年~2014年一般開業医勤務
- 2014年アーブル歯科クリニック開院
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所属団体
- 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座 非常勤
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顎咬合学会
- 日本臨床歯周病学会
- AICインプラント専門医
- BPSデンチャークリニカル 認定医
- スウェーデン歯科学会
- 口腔感染症予防外来認定医
- POIC研究会 ホームケアアドバイザー認定
- 私立アスクかなでのもり第二保育園 嘱託医
- ブレーメン津田沼保育園 嘱託医
- リトルガーデンインターナショナルスクール新習志野校 嘱託医
- クニナ奏の杜保育園 嘱託医
- 習志野市立谷津小学校 学校歯科医
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矯正医
- 田中 慶子
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所属団体
- 日本矯正歯科学会 認定医
- インビザライン 認定医


































