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2025.08.14

プレオルソの正しい使い方と効果を高める7つのコツ

プレオルソとは?小児矯正の新たな選択肢

プレオルソは、小児矯正に用いられるマウスピース型の矯正装置です。取り外しが可能で、柔らかいシリコン素材でできているため、お子さまの負担が少ないのが特徴です。

一般的な矯正装置とは異なり、プレオルソは歯を直接動かすのではなく、口周りの筋肉のバランスを整えることで間接的に歯並びを改善していきます。歯は頬・唇・舌など口周りの筋肉のバランスに合わせるように並ぶため、口周りの筋肉が弱いと歯並びも崩れてしまうのです。

プレオルソの適応年齢は5~10歳です。顎の骨が柔らかい小児の時期に使い始めることで効果を得られます。12歳以降になると顎の成長が止まるため、ほかの矯正方法で治療することになるでしょう。

当院では、お子さまの歯並びの状態に合わせて最適な矯正方法をご提案しています。プレオルソは特に受け口や出っ歯、叢生(歯並びのガタガタ)、開咬などの改善に効果が期待できます。

プレオルソの基本的な使い方

プレオルソを効果的に使用するためには、正しい使い方を理解することが重要です。基本的な使い方を日中と就寝時に分けてご説明します。

日中の使い方

日中は1~2時間程度の装着が推奨されています。学校に持っていく必要はなく、ご家庭で過ごす時間に装着するのがよいでしょう。

装着する際は、プレオルソをお口の中に入れて軽く噛むようにして慣らします。基本的には口を閉じて使用しますが、装着したまま会話をしても問題ありません。むしろ、会話をすることで口周りの筋肉を効果的に鍛えることができます。

日中の装着時間は短いですが、この時間を有効に活用することが大切です。特に、積極的に会話をしたり、あいうべ体操などのトレーニングを行ったりすることで、より効果的に口周りの筋肉を鍛えることができます。

就寝時の使い方

プレオルソは毎日就寝時に装着することが基本です。装着前には必ず歯磨きをして、口腔内を清潔な状態にしてから使用してください。

寝ている間に装置が外れてしまうと効果が期待できなくなるため、外れる場合はお口にテープを貼るとよいでしょう。テープは、ドラッグストアなどで販売されている肌にやさしいものを使用してください。

最初は違和感があり、外れやすいかもしれませんが、毎日続けることで徐々に慣れていきます。慣れてくると外れにくくなるでしょう。

プレオルソの効果を最大限に高める7つのコツ

プレオルソの効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。ここでは、効果を高める7つのコツをご紹介します。

1. 装着時間を必ず守る

プレオルソは、毎日日中に1~2時間と就寝中に装着する必要があります。装着時間が不足すれば口周りの筋肉を十分に鍛えることができず、治療の効果が得られなくなるため注意しましょう。

お子さまが外したり就寝中に外れたりすることもあるので、保護者の方のサポートが重要です。特に治療開始直後は、お子さまが装置に慣れるまで見守ってあげることで効果を最大限に発揮できると考えます。

2. 鼻呼吸を意識する

前歯を舌で押す癖がある場合は口呼吸になりやすく、歯並びが乱れる原因になります。そのため、プレオルソを装着した際はもちろん、日頃から鼻呼吸を意識しましょう。

鼻呼吸を意識することで舌を正しい位置に置けるようになり、歯並びが乱れるのを防げます。お子さまには「お口を閉じて、鼻から息を吸って」と声をかけてあげると良いでしょう。

3. 装着前に必ず歯磨きをする

プレオルソを装着する前には、必ず歯磨きをしてお口の中を清潔にしておきましょう。装置に歯垢や食べかすが付着したまま使用すると、虫歯のリスクが高まります。

また、装置自体も定期的に洗浄することが大切です。使用後は流水でよく洗い、専用の洗浄剤を使用するとより清潔に保つことができます。清潔な状態で使用することで、お口の健康を守りながら矯正治療を進めることができます。

4. トレーニングを積極的に行う

プレオルソの装着時に会話や口周りのトレーニングをすれば、効果的に口周りの筋肉を鍛えることが可能です。そのため、装着中は積極的に会話やトレーニングを行うようにしましょう。

口周りの筋肉を鍛えるトレーニングとして、あいうべ体操がおすすめです。「あ・い・う・べ」と大きくお口を動かすことで、口周りの筋肉をバランスよく鍛えることができます。

あいうべ体操は、口呼吸を鼻呼吸に改善するお口の体操です。お口を大きくゆっくり動かすことを心がけてください。

5. 装着位置が正しいか確認する

プレオルソを効果的に使用するためには、装着位置が正しいことが重要です。装置がずれていると、本来の効果が得られないだけでなく、違和感や痛みの原因にもなります。

装着時は鏡を見ながら、装置が正しい位置に収まっているか確認しましょう。違和感や痛みがある場合は、無理に使用せず、当院にご相談ください。適切な調整を行うことで、快適に使用できるようになります。

6. 就寝時はテープを活用する

就寝中にプレオルソが外れてしまうと、せっかくの治療効果が半減してしまいます。寝ている間に装置が外れる場合は、お口にテープを貼ってみるのがおすすめです。

テープはドラッグストアやネット通販で購入できる肌にやさしいものを選びましょう。最初は違和感があるかもしれませんが、徐々に慣れていくものです。毎日続けることで、お子さまも自然と装置を装着したまま眠れるようになっていきます。

7. 定期的に歯科医院を受診する

プレオルソによる治療効果を最大限に引き出すためには、定期的な歯科医院の受診が欠かせません。定期検診では、装置の適合状態や治療の進行状況を確認し、必要に応じて調整を行います。

また、お子さまの成長に合わせて装置のサイズや形状を変更する必要がある場合もあります。定期的に受診することで、お子さまの成長に合わせた最適な治療を継続することができます。

プレオルソ使用時の注意点

プレオルソを効果的に使用するためには、いくつかの注意点があります。これらを理解し、適切に対応することで、より良い治療結果を得ることができます。

寝ている間に外れる場合の対処法

寝ている間にプレオルソが外れてしまうことは、特に治療初期によく見られます。これに対処するためには、先ほどご紹介したテープの使用が効果的です。

また、就寝前にリラックスした状態でプレオルソを装着し、装着したまま静かに横になることで、外れにくくなることもあります。お子さまが装置に慣れるまでは、保護者の方が就寝時に確認してあげると良いでしょう。

痛みや違和感を覚える場合

プレオルソは柔らかいシリコン素材でできているため、基本的には痛みが少ない装置です。しかし、装着初期には違和感を覚えることがあります。また、まれに痛みを感じる場合もあります。

痛みや強い違和感がある場合は、無理に使用せず、当院にご相談ください。装置の調整や使用方法の見直しで改善することが多いです。お子さまの様子をよく観察し、異常があればすぐに対応することが大切です。

お子さまが装着を嫌がる場合

お子さまがプレオルソの装着を嫌がる場合は、無理強いせず、まずはその理由を理解することが大切です。痛みや違和感がある場合は、当院での調整が必要かもしれません。

また、装着することの意義やメリットをお子さまに分かりやすく説明し、モチベーションを高めることも重要です。シールやご褒美など、お子さまが楽しく続けられる工夫をしてみてください。

当院では、お子さまが楽しく矯正治療に取り組めるよう、さまざまなサポートを行っています。お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

 

 

プレオルソのメリットとデメリット

プレオルソには、他の矯正装置と比較していくつかの特徴があります。ここでは、プレオルソのメリットとデメリットについてご説明します。

プレオルソのメリット

プレオルソの最大のメリットは、お子さまへの負担が少ないことです。具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 痛みや違和感が少ない:柔らかいシリコン素材でできているため、口内を傷つける心配がありません。
  • 装置を自由に取り外せる:食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯のリスクが低減します。
  • 後戻りしにくい:歯並びが悪くなる根本の原因を取り除く治療のため、治療後の後戻りが少ないというメリットがあります。
  • 口周りの悪習慣を改善できる:口呼吸から鼻呼吸への改善や、指しゃぶりなどの癖の改善にも効果があります。

これらのメリットにより、お子さまが無理なく矯正治療を続けられるのがプレオルソの大きな特徴です。

プレオルソのデメリット

一方で、プレオルソにはいくつかのデメリットもあります。治療を始める前に、これらのデメリットについても理解しておくことが大切です。

  • 装着時間が治療の結果を左右する:自分で取り外しができるため、装着時間が不足すると十分な効果が得られません。
  • 歯並びを完全に整えることは難しい:重度の歯列不正には対応できない場合があり、将来的に本格的な矯正治療が必要になることもあります。
  • 年齢制限がある:5~10歳頃までの骨の柔らかい時期に限られ、12歳以降では効果が期待できません。

これらのデメリットを理解した上で、お子さまの状態に合わせて最適な矯正方法を選択することが重要です。当院では、お子さまの歯並びの状態や年齢に合わせて、最適な矯正方法をご提案しています。

プレオルソで治療できる歯並びの問題

プレオルソは様々な歯並びの問題に対応できますが、特に効果が期待できるのは以下のような症例です。

受け口(反対咬合)

受け口は、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。プレオルソを使用することで、顎の成長をコントロールし、正常な咬み合わせへと導くことができます。特に早期に治療を開始することで、効果的に改善できる可能性が高まります。

当院では、7歳の反対咬合のお子さまが、プレオルソを使用して約3ヶ月で改善した症例もあります。もちろん、個人差はありますが、早期に対応することで効果的な治療が可能です。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯は、上の前歯が前に突き出た状態です。プレオルソを使用することで、口周りの筋肉のバランスを整え、上の歯列の傾斜を改善することができます。

出っ歯を放置すると、前歯が唇を押し上げて口が閉じにくくなったり、前歯が外傷を受けやすくなったりするため、早めの対応が望ましいです。

叢生(歯並びのガタガタ)

叢生は、歯が重なり合ってガタガタになっている状態です。プレオルソを使用することで顎の成長を促し、歯が並ぶスペースを確保することができます。

当院では、7歳の叢生のお子さまが、プレオルソを使用して約12ヶ月で改善した症例があります。早期に対応することで、将来的な本格矯正の必要性を減らせる可能性があります。

開咬

開咬は、上下の前歯が咬み合わず、隙間が空いている状態です。舌の位置や飲み込み方の癖が原因となることが多く、プレオルソを使用することでこれらの機能的な問題を改善できます。

開咬を放置すると、発音に影響が出たり、食べ物を噛みちぎりにくくなったりするため、早めの対応が望ましいです。

まとめ:プレオルソを成功させるために

プレオルソは、お子さまの成長期に合わせた矯正治療として効果的な選択肢です。正しく使用することで、歯並びの改善だけでなく、口呼吸の改善や口周りの悪習慣の改善など、多くのメリットが期待できます。

プレオルソを成功させるためには、以下の7つのポイントを意識することが大切です。

  • 装着時間を必ず守る
  • 鼻呼吸を意識する
  • 装着前に必ず歯磨きをする
  • トレーニングを積極的に行う
  • 装着位置が正しいか確認する
  • 就寝時はテープを活用する
  • 定期的に歯科医院を受診する

これらのポイントを守りながら、お子さまと一緒に継続して取り組むことが、プレオルソ治療を成功させる鍵となります。もちろん、お子さまの状態によって効果には個人差がありますが、適切な使用と定期的な管理によって、最大限の効果を引き出すことができるでしょう。

当院では、お子さまの歯並びの状態に合わせた最適な矯正治療をご提案しています。プレオルソについてのご質問や、お子さまの歯並びでお悩みのことがありましたら、お気軽に矯正無料相談にお越しください。お子さまの健やかな成長と美しい歯並びのために、当院のスタッフ一同、全力でサポートいたします。

詳しい情報や矯正無料相談のご予約は、アーブル歯科クリニックの公式サイトをご覧ください。お子さまの歯並びの悩み、一緒に解決していきましょう。

著者情報
  • アーブル歯科クリニック 院長 田中 雄一
  • 略歴
  • 2007年日本大学松戸歯学部卒業
  • 2007年日本大学松戸歯学部附属病院 臨床研修医
  • 2008年~2014年一般開業医勤務
  • 2014年アーブル歯科クリニック開院
  • 所属団体
  • 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座 非常勤
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本顎咬合学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • AICインプラント専門医
  • BPSデンチャークリニカル 認定医
  • スウェーデン歯科学会
  • 口腔感染症予防外来認定医
  • POIC研究会 ホームケアアドバイザー認定
  • 私立アスクかなでのもり第二保育園 嘱託医
  • ブレーメン津田沼保育園 嘱託医
  • リトルガーデンインターナショナルスクール新習志野校 嘱託医
  • クニナ奏の杜保育園 嘱託医
  • 習志野市立谷津小学校 学校歯科医
  • 矯正医
  • 田中 慶子
  • 所属団体
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン 認定医

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